欧州への特許出願について、手続の流れと、欧州特有の注意点をご説明します。欧州特許庁(EPO)へ一つの出願を行い、成立した特許を希望する国で有効にする、という仕組みです。
出願のルート
- PCT地域段階(Euro-PCT) 国際出願(PCT)を欧州へ移行する方法です。
- パリ条約による直接出願 日本の出願を基礎として、EPOへ直接出願する方法です。
移行・出願の期限と言語
PCT地域段階への移行期限は、優先日から31か月です。米国の30か月、中国の30か月とは異なりますので、複数国へ出願される場合は国ごとに期限を管理する必要があります。
出願の時点では英語で手続を進められます。特許が認められた段階で、請求の範囲のドイツ語訳とフランス語訳が必要になります。
拒絶理由への応答
審査で拒絶理由(規則 94(3))が通知された場合、応答期限は通常4か月です。申請により2か月の延長が認められます。
特許査定とその後の手続
特許を認める通知(規則 71(3))が届いたら、4か月以内に付与手数料の納付と、請求の範囲の独・仏訳の提出を行います。この期限は延長できません。
特許の付与が公告されたあと、次のどちらかの手続をとります。
- 単一効果を持つ欧州特許(単一特許)の請求 公告から 1か月以内。一つの手続で参加国をまとめてカバーできます
- 国ごとの有効化 公告から 3か月以内。国によっては翻訳文の提出が必要です
どちらが有利かは、権利を欲しい国の数と、将来の訴訟の見通しで変わります。単一特許を選ばず、欧州統一特許裁判所(UPC)の管轄から外れる選択(オプトアウト)をすることもできます。案件ごとに費用を試算してご提案いたします。
費用と期間について
欧州は、付与段階での翻訳と、有効化する国の数によって費用が大きく変わります。審査請求の扱いや登録後の年金を納める時期も含め、案件ごとにご案内いたします。お見積りは可能な範囲でお出しいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
欧州への出願をご検討の方は、お問合せよりご連絡ください。国際特許出願のページでは、PCTルートとパリルートの違いを図でご説明しています。